空と海が見える部屋

地球にいながら宇宙旅行

ピュアで隣合わせの恋のお話

 

 突然ですが『年下彼氏』の嶋崎斗亜くん・當間琉巧くん出演回の話をします。

 

 ……といってもあまりにも突然すぎるのでちょっとご説明しますと、まずベースとして私はそもそも関ジュを大して存じておりません。ユニットに属している子(+α)なら顔と名前は一致するけれどどんな子なのかはぼんやりとしか知らない、宇宙Sixの舞台見に来てくれた人はなんとなく把握してる、みたいな感じなんですね。だから関ジュで『年下彼氏』やるよ!って話を聞いたときも「関ジュの行事はいいな〜羨ましいな〜」くらいにしか思っていなくて。なんとなく気になる枠にAぇ!groupの福本大晴くんがいるので福本くんの回もあるのか〜という認識でした。そういう人が見た『年下彼氏』の話です。

 

 私に衝撃が走ったのは、『年下彼氏』のお相手の女性キャストが発表された時のこと。感情移入しにくいくらい若い女優さんや私と同年代の女優さんがいらっしゃる中に、明らかに異彩を放つ女優さんがひとり。それが嶋崎斗亜くんの回「にどめのはつこい」にご出演される方でした。

 いやいやいや、大ベテラン女優さんじゃん!!!!斗亜くん(現役DK)からすれば、ご自身のお祖母様の方がお若いのでは????年下彼氏とはいっても年下すぎでは!?!?と。しかもサブタイトル「にどめのはつこい」ですよ。一体どんな話なんだ……。

 

 と、ここで私の妄想がフルスロットルです。思い出すのは小学生の時に読んだ『夏の庭』です。おばあちゃん、もしかしたら……。なんかおじいちゃんおばあちゃんと子どもの話に弱いんですよね。好き好んで見るというわけではなくて、内容によっては放心しちゃうししばらく引きずる。最近だと戦隊ものの『魔進戦隊キラメイジャー』でイエローの男の子とおじいちゃんの話(回想シーン)があってそのワンシーンが辛すぎて泣きました。2度めっておばあちゃんから見てなのかなぁ。ってことは一度目のことはもしかしたら覚えていないのかなぁ。認知症とか……。それで斗亜くんの役は先立った旦那さんの若い頃にそっくりでみたいな。その旦那さんとはどんな経緯でお別れとなってしまったのだろうか。往生したのか、結婚するよりも前に徴兵されて帰ってこられなかったのか、何かしらの事故や病気だったのか。

 いや、二度目なのは斗亜くんの役では?前世の記憶パターン。一度目は前世で、若くして亡くなってしまい転生してなんの因果か運命か、友人の祖母が前世の彼女・奥さんだったみたいなやつ。最初はその記憶がなかったのに彼女と触れ合ううちに思い出していく的な。それか、旦那さんじゃなくて息子かもしれないぞ?初恋と言うのは違うかもしれないけど斗亜くんが息子にそっくりで、とか生まれ変わりだ、とか……。

 テレビ誌にもあらすじはふんわりとしか書いていなかったので何故琉巧くんが斗亜くんに恋人のふりを依頼したのかよくわからなったのと、斗亜くんが「自分を少女だと思っている女性」と言っていたのが引っかかっていてエッこれ15分しか無いの……ってなりました。この設定普通に二時間コースでしょ。この夏めっちゃ泣く予定だった映画では?

 

 で、関東ではめちゃくちゃ遅い時間の放送なので夜普通に寝て朝真っ先に番組の感想を確認しました。とりあえず生死だけ確認したかった。心の準備を整えてから、仮面ライダーゼロワンもキラメイジャーも吹っ飛ばして年下彼氏を再生しましたよ。ごめん佐野くん、後で見る、と謝りつつ斗亜くん回を先に見ました。

 

 

 翼くん!!!!!!!!!!

 

 わかってて泣くやつ。もう初っ端から映像が淡くて儚くて切なさに溢れていてなにこれ夢……?みたいな。太陽のあたたかさと冬の空の凛とした透明感に光(琉巧くん)のおばあちゃんを思う優しい気持ちと絹子さんの乙女のような可愛らしさ、そして翼(斗亜くん)の純粋で傷を知らない柔らかい心が合わさって全てが美しい景色でした。

 高校生の設定で斗亜くんの見た目も可愛らしくて、それで「初恋」を描くのって難しいんじゃないかなって思うんですよ。本人の意識に無くても他人に対してなんとなく好きだな、って思う気持ちは意外と幼い頃から抱いてるのでは、と。だから高校生だとかなり幼いキャラクター造形になるというか。でもここで相手の年齢をぐっとあげて「少女の心に戻っている」女性と一緒にすごすことで彼は初恋という名前の愛を知ったんだな……と感じました。イヤイヤ始めたバイトだったけど、これを通して成長した翼は絹子さんにとって年下でもなんでもなくて年下きゃわわ!!!みたいなのも無くてずっと隣。少し不思議で、でもものすごく心地よい世界でした。最後泣いてしまう翼に泣かないで、ではなく思いっきり泣きな、って心の中で呟きながら私も泣きました。あと思っていたより辛い設定は無かった。よかった。

 

 斗亜くんはピュアで自然な表情が魅力的だなと思いました。きょとんとした顔も、ふわりとした笑顔も、ぽろぽろと涙を零す泣き顔も人間味があるというか。(人間ですけど……)なんだろう、映像向きの表情?なのかな?すごく上手いなーって。見ていてすーっと世界観に入り込めるお芝居が素敵だと感じました。瞳がめちゃくちゃ綺麗ですよね。

 琉巧くんも、ものすごく難しい役だったと思うんです。おばあちゃんが大好きで何とかしてあげたくて、でも翼に頼むのは「バイト」。自分の願いが突拍子もないことだとわかっていて翼にも気を使って、でもさりげなく断れないような方向に誘導するのは計画通りなのか天然なのか……その微妙な感じがわざとらしくなくて好きな演技でした。とっても愛されて育ったお孫さんなんだなっていうのが伝わってきました。あと思っていたより声が低くてびっくり。

 

 変な入口からではありましたが、素敵なお話が見れてよかったです。またこの二人がドラマに出たら絶対見ます。あとは舞台でもどんなお芝居をするのか気になるので見てみたいな!小学生みたいな感想でしたがここまで読んでいただきありがとうございました。佐野くんの話はこれから見ます。